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江戸の粋と雅を今に伝える「山王祭(さんのうまつり)」。2025年は6月7日(土)から17日(火)まで、日枝神社(ひえじんじゃ)を中心に盛大に開催されます。この山王祭は、江戸三大祭りの一つに数えられるだけでなく、京都の祇園祭、大阪の天神祭と並び、日本三大祭りの一つとしても知られる、日本の誇るべきお祭りです。
徳川将軍家にも篤く崇敬されたこのお祭りは、2年に一度の本祭(ほんまつり)と、その間の年の蔭祭(かげまつり)があり、2025年は蔭祭の年にあたります。
この記事では、「2025年の山王祭に行ってみたいけど、何があるの?」「混雑は?」「見どころは?」といった疑問をお持ちのあなたへ、最新情報に基づいた山王祭を最大限に楽しむための情報を、余すところなくお届けいたしましょう。
まずは、山王祭の基本的な情報から押さえていきましょう。その歴史や日枝神社について知ることで、お祭りをより深く味わえるはずです。
2025年の山王祭は、6月7日(土)から17日(火)までの11日間にわたって開催されます。期間中は、日枝神社の境内を中心に、20を超える様々な神事や奉納行事が繰り広げられます。
2025年(令和7年)の主な日程:
この他にも、期間中は連日、神楽囃子や狭山茶の接待、山王音頭と民踊大会など、多彩な催しが予定されています。2025年は蔭祭のため、例年本祭で行われる大規模な「神幸祭」の都心巡行はありませんが、境内や周辺地域は祭りの熱気に包まれ、十分に楽しむことができます。
山王祭の歴史は古く、その起源は鎌倉時代にまで遡ると伝えられています。江戸時代に入ると、日枝神社が江戸城の鎮守、そして徳川将軍家の産土神(うぶすながみ)として崇敬されたことから、祭りは幕府の庇護のもと、盛大を極めました。
当時は、江戸城内に山車(だし)が入ることを許され、将軍や大奥の人々も上覧したことから「天下祭」と称えられたのです。その豪華絢爛な行列は、江戸中の人々が心待ちにする一大イベントでした。
神田明神の神田祭と隔年で本祭が行われるようになったのも江戸時代からで、その祭礼行列が江戸城下を広範囲に練り歩く規模の大きさから、深川八幡祭(富岡八幡宮)と並び、「江戸三大祭り」の一つとして数えられています。
山王祭の舞台となる日枝神社は、東京・永田町、日本の政治の中心地に鎮座する由緒ある神社です。主祭神である**大山咋神(おおやまくいのかみ)**は、万物の生成化育を守護する神様として知られています。
そのため、縁結び、安産、家内安全、商売繁盛、社運隆昌、厄除けなど、幅広いご利益があるとされ、古くから「山王さん」の愛称で多くの人々に親しまれてきました。
境内には、神様の使いとされる「神猿(まさる)」像が夫婦で祀られており、特に縁結びや子授けのご利益を求めて訪れる人も少なくありません。「魔が去る」「勝る」に通じることから、勝運や厄除けのご利益もあるとされています。
アクセス: 日枝神社は、複数の駅からアクセス可能で非常に便利です。特に溜池山王駅からはエスカレーターを利用して境内へアクセスできるため、坂道や階段が苦手な方にもおすすめです。
どの駅からも比較的近く、目的に合わせて利用駅を選ぶと良いでしょう。
山王祭には様々な行事がありますが、特に大きな見どころとなるのが本祭の「神幸祭」と、蔭祭の年の「下町連合渡御」です。
2025年は、大規模な巡行の代わりに、境内に特別展示される「象の山車」や、「稚児行列」、多彩な「奉祝神賑行事」などがハイライトとなります。
江戸三大祭りとして並び称される山王祭、神田祭、深川祭ですが、それぞれに個性があります。
これらのお祭りは、京都の祇園祭、大阪の天神祭と共に日本三大祭りに数えられることもあり(※諸説あり)、日本の祭文化の豊かさを示しています。
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2025年の山王祭は蔭祭ですが、見どころは満載です。特に注目したいポイントをご紹介します。
昨年の神幸祭で初登場し、大きな話題を呼んだ「象の山車」が、2025年は日枝神社の境内に特別展示されます。
江戸時代の山王祭にも象の山車が登場したという記録があり、それを現代に蘇らせたものです。いまにも動き出しそうな、その迫力ある姿と大きさを間近で体感できる貴重な機会です。絶好のフォトスポットになること間違いなしでしょう。ぜひ、その存在感に圧倒されてください。
6月8日(日)の正午からは、「稚児行列」が行われます。色とりどりの伝統的な衣装に身を包んだ可愛らしい子どもたちが、神社周辺を練り歩きます。
健やかな成長を祈るこの行事は、見ているだけで心が温かくなる、山王祭の中でも特に人気の高いイベントの一つです。ご家族連れはもちろん、多くの方がその愛らしい姿を一目見ようと集まります。
期間中は、境内の神楽殿などを中心に、様々な奉祝行事が連日開催されます。
この他にも、箏曲演奏やミニコンサートなど、毎日何かしらのイベントが行われています。スケジュールをチェックして、興味のある行事に合わせて訪れるのも良いでしょう。
6月16日(月)には「山王嘉祥祭(さんのうかじょうさい)」が行われます。嘉祥とは、古く疫病退散を祈って始まった行事で、江戸時代には6月16日に和菓子を食べる習慣がありました。
この祭典では、その伝統にちなみ、東京和生菓子商工業協同組合などの協賛により、嘉祥菓子とお茶の接待が行われます(7日~16日)。伝統的な和菓子を味わいながら、無病息災を祈願してみてはいかがでしょうか。
6月15日(日)午前11時からは、山王祭の中心となる祭典「例祭」が斎行されます。皇城の鎮護と都民の平安を祈願する、最も重要で厳かな神事です。
一般の参列は難しい場合が多いですが、この時間帯に神社を訪れると、その厳粛な雰囲気の一端に触れることができるかもしれません。
山王祭の魅力は、大きな祭典や奉納行事だけではありません。期間中を通して楽しめる要素もたくさんあります。
山王祭の期間中、日枝神社の境内には大きな茅の輪(ちのわ)が設置されます。これは「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」という神事に伴うもので、茅で作られた輪をくぐることで、半年間の罪や穢れ(けがれ)を祓い、残り半年の無病息災を祈願するものです。
作法に従って8の字を描くように3回くぐります。誰でも参加できるので、山王祭を訪れた際にはぜひ体験してみてください。心が洗われるような清々しい気持ちになるはずです。
前述の通り、期間中は神楽殿を中心に、剣道大会(7日)、箏曲(8日)、コーラス(12日)、ハワイアンフラ(14日)、山王太鼓(15日)など、本当に多彩な奉納行事が目白押しです。
境内を散策していると、ふと聞こえてくるお囃子や音楽に足を止める、そんな楽しみ方も山王祭ならでは。時間を気にせず、ゆったりと境内を巡ってみることをお勧めします。
6月8日の「稚児行列」は、子どもたちが主役の華やかなイベントです。
また、祭りの期間中、境内や周辺には縁日・露店が立ち並び、お祭りの雰囲気を一層盛り上げます。定番のたこ焼きやかき氷、射的や金魚すくいなど、子どもはもちろん、大人も童心に返って楽しめる空間です。家族連れで訪れるなら、これらのイベントや縁日を狙っていくのもおすすめです。
多くの人が訪れる山王祭。快適に楽しむためには、アクセス方法と混雑対策を事前に知っておくことが重要です。
前述の通り、日枝神社は複数の駅からアクセス可能です。特に溜池山王駅(出口7)からのエスカレーター利用が便利です。
土日や特定の行事がある時間帯は、駅や周辺道路が大変混雑します。時間に余裕を持って行動しましょう。
祭りの期間中、特に土日や夕方以降は、日枝神社周辺で交通規制が実施される可能性があります。
そして、最も重要な注意点として、祭り期間中は、日枝神社の一般参拝者用の駐車場は利用できません。
周辺のコインパーキングも満車になる可能性が高く、混雑も激しいため、必ず公共交通機関を利用するようにしてください。
2025年の山王祭では、以下の日程・時間帯が特に混雑すると予想されます。
混雑回避策:
お祭りで見落としがちですが、非常に重要なのがトイレの場所です。
ポイント: 境内は混雑するため、溜池山王駅や赤坂駅など、到着駅で先に済ませておくのが最も確実で賢明な方法です。
6月は梅雨の時期でもあり、天候が変わりやすい季節です。準備をしっかりして出かけましょう。
お祭りの楽しみといえば、やっぱりグルメ!山王祭でも、美味しいものがたくさん待っています。
山王祭の期間中、日枝神社の境内や参道を中心に、たくさんの屋台や露店が立ち並び、お祭りの雰囲気を盛り上げます。
色々な屋台を巡って、お祭り気分を満喫しましょう。
「山王嘉祥祭」に合わせて提供される嘉祥菓子は、この時期ならではの特別な味です。ぜひ境内のお茶席で味わってみてください。
また、日本橋エリアでは、山王祭に合わせて老舗の和菓子店などが特別な商品を出すこともあります。散策しながら探してみるのも楽しいでしょう。
屋台も良いですが、ゆっくり座って食事をしたい場合もあるでしょう。日枝神社周辺には、様々なジャンルの飲食店があります。
個室居酒屋 四季や こだわりの牛タン料理が自慢の個室居酒屋 https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13295684/
GoodTime東京赤坂 彩り豊かな多国籍料理を楽しめる https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13246931/
三九厨房 赤坂3号店 本格中華をリーズナブルに味わえる https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13236900/
6月は蒸し暑い日も多いので、こまめな水分補給とクールダウンが大切です。
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参拝の記念に、御朱印やお守りをいただくのも楽しみの一つです。
日枝神社では、通常時から御朱印をいただくことができます。山王祭の期間中も、基本的には通常の御朱印が授与されます。
山王祭の「限定御朱印」については、その年によって対応が異なります。2025年に限定御朱印が授与されるかは、現時点では不明です。
もし授与される場合は、大変な混雑が予想されます。数時間待ちになることも覚悟する必要があるかもしれません。最新情報は公式サイトで確認するか、当日現地の案内に注意しましょう。
日枝神社には、様々なお守りや授与品があります。
授与所を覗いて、ご自身や大切な人にぴったりの一品を見つけてみてください。
江戸の歴史と文化が息づく壮大なお祭り「山王祭」。2025年6月7日(土)から17日(火)まで開催されるお祭りは、蔭祭ながらも、象の山車展示や稚児行列、ハワイアンフラなど、見どころが満載です。
この記事でご紹介した情報を参考に、事前にしっかりと計画を立て、準備を万端にしてお出かけください。梅雨時の天候や混雑に注意しながら、山王祭ならではの雰囲気を存分に味わい、素敵な思い出を作っていただければ幸いです。
公共交通機関を利用し、時間に余裕を持ってお出かけください。最新の情報は、必ず日枝神社の公式サイトでご確認いただくことをお忘れなく。