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2025年の秋、福島県会津若松市が一年で最も熱気に包まれる3日間「会津まつり」が開催されます。このお祭りは、ただのイベントではありません。そのルーツは1928年、秩父宮雍仁親王と会津藩主・松平容保公の孫娘である勢津子様の御成婚を祝した提灯行列にあります。現在では、戊辰戦争で落命した会津藩士の慰霊と、先人への感謝を込めるお祭りとして、会津の人々の魂そのものとなっています。
この記事を読めば、2025年の会津まつりの公式情報から、混雑を避けるための専門的なアクセス方法、そして経験者だからこそ知る楽しみ方まで、すべてがわかります。最高の思い出を作るための準備を、ここから始めましょう。
まずは、計画を立てる上で欠かせない公式の基本情報を押さえておきましょう。
2025年の会津まつりは、9月19日(金)~21日(日)の3日間で開催されます。
詳細なスケジュールは会津若松観光ビューローから発表がありますので、公式サイトもあわせてご確認ください。
会津まつりの起源は、1928年(昭和3年)に行われた、秩父宮雍仁親王と松平勢津子様の御成婚を祝う提灯行列です。この慶事をルーツとしながら、後に戊辰戦争(1868年)で亡くなった会津藩士たちの鎮魂と、地域の先人たちへの感謝という大切な意味合いが込められました。
最大の見どころは、総勢約500名が武士などの絢爛豪華な衣装をまとい市内を練り歩く**「会津藩公行列」**。これは単なるパレードではなく、会津の歴史絵巻を現代に蘇らせる壮大な儀式なのです。また、祭りのルーツでもある提灯行列も幻想的で必見です。
3日間それぞれに魅力がありますが、目的に合わせて訪れる日を選ぶのが賢明です。
もし1日しか行けないのであれば、迷わず中日の「会津藩公行列」をおすすめします。
最新かつ正確な情報は公式サイトで得るのが一番です。特にゲスト情報や詳細なタイムスケジュール、交通規制図は直前に更新されることが多いため、出発前には必ずチェックする習慣をつけましょう。
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会津まつりの華である「会津藩公行列」。この壮大な歴史絵巻を最大限に楽しむための攻略法をお伝えします。
2025年の会津藩公行列は**中日にあたる9月20日(土)**に開催されます。
※時間は例年のスケジュールです。正式発表をご確認ください。 出陣式は、藩公行列の始まりを告げる神聖な儀式。鶴ヶ城を背景に行われる迫力ある演武は必見です。
行列のルートは鶴ヶ城を出発し、市内の主要な通りを巡ります。事前にルートを把握しておくことで、効率よく観覧場所を確保できます。
【主なルート(例年)】 鶴ヶ城本丸(出陣式)→ 鶴ヶ城北口 → 神明通り → 中央通り(大町四ツ角)→ 鶴ヶ城公園内(帰着)
各ポイントの通過時間は公式サイトで発表されますが、天候や進行状況で前後するため、時間に余裕を持った行動が求められます。
観覧場所によって、見える景色や混雑度が全く異なります。
会津藩公行列の伝統として、会津にゆかりのあるNHK大河ドラマの出演者が特別ゲストとして参加します。『八重の桜』の綾瀬はるかさんや、『西郷どん』の鈴木亮平さんなどが過去に参加し、大変な盛り上がりを見せました。
2025年のゲストはまだ発表されていませんが、例年8月下旬頃に発表されます。公式サイトの情報を心待ちにしましょう。
小雨の場合は決行されることが多いですが、荒天(台風や大雨警報発令時)の場合は、行列が中止または規模を縮小して開催されることがあります。
当日の朝、**会津若松観光ビューローの公式サイトや公式SNS(XやFacebook)**で最新情報が発表されます。天候が怪しい日は、家を出る前に必ず確認してください。
藩公行列以外にも、会津まつりには魅力的なイベントが満載です。
初日の夜を彩るのが、祭りのルーツともなった幻想的な「提灯行列」。市内の子供たちが手作りの提灯を持って歩く姿は、ノスタルジックな気持ちにさせてくれます。その後、目抜き通りでは「会津磐梯山踊り」が開催され、多くの市民が輪になって踊り、祭りの開幕を祝います。
この日は藩公行列が主役ですが、行列が通過しないエリアでも様々な催しが開かれています。鶴ヶ城公園内では、火縄銃の実演や古武道の演武など、武家文化に触れられるプログラムが充実。行列の待ち時間に、こういった催しを巡るのも通な楽しみ方です。
最終日は、未来を担う子どもたちが主役。江戸時代の藩校「日新館」の教え「什の掟(じゅうのおきて)」を唱和しながら歩く「日新館童子行列」は、会津の教育精神を今に伝える貴重な行列です。凛々しい子どもたちの姿に、胸が熱くなるでしょう。
大きな歴史的節目(例:戊辰戦争から160年など)には、特別な記念プログラムが組まれることがあります。2025年に該当する記念行事があるかは現時点では不明ですが、もし開催されるなら、シンポジウムや特別な展示などが期待されます。こちらも公式サイトでの発表に注目しましょう。
会津まつり期間中の交通事情は、通常時とは全く異なります。アクセス方法の選択が、祭りを快適に過ごせるかどうかの分かれ道です。
最もおすすめのアクセス方法は、公共交通機関の利用です。
車での来場は可能ですが、相当な覚悟が必要です。最寄りのICは**磐越自動車道「会津若松IC」**ですが、ICを降りてから市内中心部までは大渋滞が予想されます。
この情報が最も重要です。祭り期間中は、市郊外に無料の臨時大駐車場が複数開設され、そこから会場近くまで有料のシャトルバスがピストン運行します。
例年、**「会津アピオ(会津総合卸売市場)」**などが臨時駐車場になります。市内の駐車場を探して彷徨うのは時間と労力の無駄です。素直に臨時駐車場を利用するのが、最も賢明でストレスのない選択だと言えるでしょう。
藩公行列のルートとその周辺道路は、午前中から午後にかけて車両通行止めになります。この規制を知らずに車で中心部に進入すると、身動きが取れなくなる可能性があります。
公式サイトで公開される**「交通規制図」**を事前にダウンロードし、どの道が何時から規制されるのかを正確に把握しておきましょう。カーナビの情報を過信してはいけません。
会津若松駅周辺にはレンタサイクルがあります。交通規制エリア外の移動や、少し離れた観光スポット(飯盛山など)へ行くには非常に有効な手段です。ただし、行列中は中心部への乗り入れは困難になります。タクシーも同様に、交通規制エリアには入れないため注意が必要です。
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知っていると差がつく、より深く祭りを楽しむためのヒント集です。
屋台の主な出店エリアは、鶴ヶ城公園内と市役所周辺です。定番のグルメも良いですが、せっかくなら会津ならではの味を楽しみましょう。
お子様連れの場合、事前の準備が大切です。
9月の会津は日中と朝晩の寒暖差が大きくなります。日中は半袖で過ごせても、夕方からは肌寒く感じることも。着脱しやすいパーカーやカーディガンを一枚持っていくと重宝します。また、かなりの距離を歩くことになるため、履き慣れたスニーカーは絶対に欠かせません。
藩公行列の主役たちに目が行きがちですが、ぜひ各部隊の細かな装飾や所作にも注目してみてください。例えば、会津藩の女性たちで構成される「娘子隊(じょうしたい)」の凛とした立ち振る舞いや、各部隊が掲げる旗印の意味を調べながら見ると、物語性が増してより深く楽しめます。
せっかく会津を訪れるなら、まつりと合わせて周辺観光も満喫しましょう。
まつりのメイン会場である鶴ヶ城。天守閣からの眺めはもちろん、城内にある茶室「麟閣(りんかく)」で一服するのも乙なものです。祭り期間中は夜間ライトアップされることもあり、昼間とは違う幻想的な姿を見せてくれます。
大正ロマンの雰囲気が残る「七日町(なぬかまち)通り」は、おしゃれなカフェや雑貨店、蔵造りの店が並ぶ人気の散策スポット。藩公行列の喧騒から少し離れて、ゆっくりとした時間を過ごすのに最適です。
白虎隊自刃の地として知られる「飯盛山」。ここから鶴ヶ城を眺めれば、会津の悲しい歴史に思いを馳せることができます。隣接する「さざえ堂」は、上りと下りが全く別の通路になっている世界的にも珍しい木造建築で、一見の価値ありです。
予約は半年前には開始するのが鉄則です。特に藩公行列が行われる土曜日の宿は、発売と同時に埋まることも珍しくありません。もし市内の予約が取れなければ、近隣の喜多方市や郡山市まで範囲を広げて探すと、見つかる可能性があります。
会津まつりは、ただの見物客として参加するだけではもったいない、奥深いお祭りです。その歴史的背景を知り、アクセスや観覧場所をしっかり計画することで、感動は何倍にも膨らみます。
この記事を参考に、あなただけの会津まつりプランを立ててみてください。そして現地では、会津の人々が守り継いできた誇りと魂を、ぜひ肌で感じ取っていただければと思います。2025年の秋、会津でお会いできるのを楽しみにしています。