-->
息をのむような絶景が、あなたを待っています。静岡県・奥大井の秘境にひっそりと存在する「奥大井湖上駅」。エメラルドグリーンの湖上に浮かぶように佇むその姿は、訪れるすべての人々の心を掴んで離しません。
この記事では、そんな奥大井湖上駅の魅力を余すことなくお伝えするため、アクセス方法から楽しみ方、周辺情報までを徹底的に解説していきます。あなたの旅が、一生忘れられない特別な体験となるよう、具体的な情報と専門的な視点からナビゲートいたします。
奥大井湖上駅(おくおおいこじょうえき)は、その名の通り、長島ダムの建設によって生まれたダム湖「接岨湖(せっそこ)」に突き出た半島の上に位置しています。両側を湖に挟まれ、まるで湖上に浮かんでいるかのように見えることから、「湖上駅」という愛称で親しまれているのです。
このようなロケーションに存在する駅は、日本広しといえどもここだけであり、その唯一無二の存在感が「秘境駅」たる所以でしょう。
この駅の景観を特別なものにしているのが、神秘的なエメラルドグリーンに輝く湖面と、そこに架かる鮮やかな赤い鉄橋「奥大井レインボーブリッジ」とのコントラストです。
雄大な南アルプスの自然に抱かれた静かな湖と、人工物である鉄橋が見事に調和した風景は、一枚の絵画のような美しさをたたえています。非日常感あふれるこの景色こそが、多くの旅人を惹きつけてやみません。
この記事では、奥大井湖上駅への具体的なアクセス方法、四季折々の絶景を楽しめるベストシーズン、初心者でも美しい写真が撮れる撮影スポット、さらには周辺の観光地までを網羅的にご紹介します。
旅の計画に必要な情報がすべて手に入るため、読み終える頃には、きっとあなただけの最高の旅プランが完成しているはずです。
|
駅のホームから井川方面へ伸びる赤い鉄橋が「奥大井レインボーブリッジ」です。正式名称は「奥大井1号橋梁」といい、湖面からの高さは約70メートルにもなります。
この橋の上を、かわいらしいトロッコ列車がゆっくりと渡っていく姿は、この場所を象徴する風景です。橋の横には遊歩道が整備されており、歩いて渡ることも可能。湖上を吹き抜ける風を感じながら、空中散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。
奥大井湖上駅は、訪れる季節によって全く異なる表情を見せてくれます。
駅の対岸にある展望スポットからの眺めは、絶対に外せません。湖上に浮かぶ駅とレインボーブリッジ、そしてそこを走る列車という、奥大井湖上駅のすべてを一枚の写真に収めることができます。
展望所へは、駅からレインボーブリッジを渡り、急な階段を15分ほど登る必要がありますが、その先には疲れを忘れさせてくれる感動のパノラマが待っています。
主役は風景だけではありません。南アルプスあぷとラインの赤いトロッコ列車が、この絶景に彩りを添えます。ゆっくりと鉄橋を渡る姿は非常にかわいらしく、絶好のシャッターチャンスとなるでしょう。
列車の通過時刻を事前に調べておき、展望所や駅のホームで待ち構えるのが、最高の写真を撮るためのコツです。
奥大井湖上駅へは、大井川鐵道井川線(南アルプスあぷとライン)を利用するのが一般的です。
参照URL:大井川鐵道公式サイト(時刻表・運賃)
自由度の高い旅をしたい方には、車でのアクセスも可能です。
限られた時間で効率よく楽しみたいのであれば、車でのアクセスに軍配が上がります。電車の待ち時間を気にすることなく、自分のペースで展望所や周辺スポットを巡ることが可能です。
ただし、運転に不安がある方や、アプト式列車そのものを楽しみたい方は、時間に余裕をもって電車を選ぶのが賢明です。
大井川鐵道を周遊するなら、フリーきっぷの利用が断然お得です。金谷駅から井川駅までの大井川本線と井川線が2日間乗り放題になる「大井川周遊きっぷ」などがあります。
ご自身の旅のプランに合わせて、最適なきっぷを選んでみてください。
|
鉄橋の横に併設された遊歩道「湖上ウォーク」は、ぜひ体験していただきたいアクティビティです。眼下に広がる湖面を眺めながら歩けば、まるで空を散歩しているかのような爽快感を味わえるでしょう。
足元は金網になっているため、スリルも満点です。
駅の先端、見晴らしの良い場所には「Happy Happy Bell」という可愛らしい鐘が設置されています。恋人同士で鳴らすと愛が深まる、一人で鳴らすと素敵な出会いがある、といったジンクスもあるようです。
旅の記念に、美しい湖に向かって鐘を鳴り響かせてみてはいかがでしょうか。
駅のホームには「レイクコテージ奥大井」というログハウス風の建物があります。以前はカフェとして営業していましたが、現在は休業中です(2025年7月時点)。
ただし、建物は待合室として開放されており、中に入って休憩することは可能です。列車の待ち時間に、車窓とはまた違った角度から景色を眺めることができます。
参照URL:川根本町まちづくり観光協会
絶景を空から撮影したいと考える方もいるかもしれませんが、奥大井湖上駅周辺でのドローン飛行は慎重な判断が必要です。鉄道施設や送電線が近く、安全上のリスクが伴います。
飛行させる場合は、航空法や関連法規を遵守し、大井川鐵道や周辺施設へ事前に確認・許可を取ることが不可欠です。安全とマナーを守り、周囲に迷惑をかけないよう心がけましょう。
奥大井湖上駅から井川線で一駅の「接岨峡温泉駅」周辺には、日帰り入浴が可能な温泉施設が点在しています。若返りの湯とも呼ばれる泉質で、旅の疲れを癒すのに最適です。
奥大井エリアを代表するもう一つの絶景スポットが、寸又峡にある「夢のつり橋」です。一度に10人までしか渡れないスリルと、チンダル現象によって青く見える湖面の美しさで知られています。奥大井湖上駅から車で約40分ほどの距離です。
井川線の始発駅である「千頭駅」は、大井川本線を走るSL(蒸気機関車)の終着駅でもあります。駅構内にはSLの転車台があり、運が良ければSLが方向転換する迫力ある姿を見学できるかもしれません。
|
金谷駅 →(大井川本線)→ 千頭駅 →(井川線)→ 奥大井湖上駅(展望台と湖上ウォークを楽しむ/滞在約90分)→(井川線)→ 接岨峡温泉駅(日帰り入浴)→(井川線)→ 千頭駅 →(大井川本線)→ 金谷駅
島田金谷IC → 奥大井湖上駅 駐車場(展望台と駅を見学/滞在約60分)→ 寸又峡「夢のつり橋」(散策&ランチ/滞在約120分)→ 千頭駅(お土産購入)→ 島田金谷IC
駅と展望所の両方を楽しむなら、最低でも90分は見ておきましょう。これは、次の電車が来るまでの時間に相当します。写真撮影にこだわりたい方や、ゆっくり過ごしたい方は、さらに1本後の電車を待つプランも良いでしょう。
歩きやすいスニーカーは必須です。展望所への道は急な階段や山道となります。また、山間部は市街地より気温が低く、天候も変わりやすいです。夏場でも薄手の羽織るもの、秋冬はしっかりとした防寒着を用意することをおすすめします。
はい、運行本数は1日に5~6往復と非常に少ないです。万が一乗り遅れた場合、次の電車まで2~3時間待つことになります。 最終手段として、駅から接岨峡温泉駅まで湖畔の遊歩道を歩くルート(約60分)もありますが、計画的な行動が何より大切です。
駅のホームやレインボーブリッジを歩くだけでも十分に楽しめます。ただし、展望所までの急な階段は、小さなお子様や体力に自信のない方には少し厳しいかもしれません。無理のない範囲で、ご自身のペースで楽しむことが一番です。
雨の日は、霧が立ち込めて幻想的な風景が広がることもあります。これはこれで、晴れた日には見られない貴重な景色と言えるでしょう。ただし、足元が悪くなるため、滑りにくい靴や雨具の準備は万全にしてください。
ここまで、奥大井湖上駅の魅力と旅のヒントを詳しくご紹介してきました。
アクセスは決して便利とは言えませんが、その先に待っているのは、日常の喧騒を忘れさせてくれる圧倒的な絶景と静寂です。綿密に計画を立て、手間をかけてたどり着いたからこそ、その感動はより一層大きなものになるに違いありません。
この記事を参考に、あなただけの特別な旅を計画し、ぜひ一度、この天空の駅を訪れてみてください。心に深く刻まれる、忘れられない一日があなたを待っています。