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あきる野市にある「都立小峰公園」は、春の訪れを静かに感じられる素晴らしいスポットです。有名な梅林のような派手さはありませんが、里山の自然そのものを楽しみたい方には自信を持っておすすめできます。
2026年の梅シーズンに向けて、現地を歩いた経験をもとに、見どころや注意点を詳しく解説していきましょう。
都立小峰公園の最大の特徴は、人の手で管理されすぎた庭園ではなく、「里山(さとやま)」の自然な景観の中に梅が咲いている点です。
杉やヒノキの深い緑と、冬枯れした木々の茶色、そして鮮やかな紅梅や白梅のコントラストは、この場所でしか味わえません。野鳥の鳴き声も近く、メジロやウグイスが花の蜜を吸いにくる様子を肉眼で観察できることも珍しくありません。自然写真家やバードウォッチャーがこぞって通う理由がここにあります。
公園の地図を見ると「桜尾根(さくらおね)」という場所がありますが、実はここが一番の梅の見どころです。名前に惑わされないようにしましょう。
尾根の両脇にはソメイヨシノやヤマザクラも植えられていますが、早春には約100本以上の梅が一斉に咲き誇ります。「桜の季節を待たずして、尾根がピンク色に染まる」という不思議な光景が見られるのが、このスポットの面白いところです。視界が開けた尾根道なので、晴れた日には青空をバックに素晴らしい写真が撮れるでしょう。
青梅市の「吉野梅郷」や都心の庭園に比べると、知名度はそこまで高くありません。そのため、満開の時期であっても「人が多すぎて写真が撮れない」という事態は稀です。
特に平日の午前中は、すれ違う人もまばらで、貸切に近い状態で散策を楽しめます。「人混みを避けて、静かに花を愛でたい」というソロ活ユーザーや、カップルでのんびりデートを楽しみたい方にとっては、まさに理想的な環境といえるでしょう。
小峰公園の梅は、例年2月中旬頃から咲き始め、2月下旬から3月上旬にかけて見頃のピークを迎えます。
ただし、その年の気温によって開花時期は前後するため注意が必要です。暖冬の年は2月上旬から見頃に入ることもありますし、寒さが厳しければ3月中旬まで楽しめる年もあります。2026年の冬の気候傾向を踏まえると、少し早めのチェックが吉と出るかもしれません。
「せっかく行ったのにまだ蕾だった」という失敗を防ぐには、出かける直前の情報収集が不可欠です。
最も信頼できるのは、公園を管理している「都立小峰公園」の公式X(旧Twitter)アカウントです。スタッフの方が頻繁に写真をアップしており、リアルタイムな開花率が分かります。また、「公園へ行こう!」の公式サイト内にある公園ブログも詳しく解説されているので、ブックマークしておくことを推奨します。
ひとくちに「梅」といっても、種類によって咲く順番が異なります。
まず1月~2月上旬にかけて、透き通るような黄色い花と甘い香りが特徴の「ロウバイ(蝋梅)」が先陣を切ります。その後を追うように紅梅が咲き、最後に白梅が満開を迎えるのが一般的な流れです。すべての種類が同時に満開になる期間は短いため、「香りを楽しみたければ早めに」「紅白のコントラストを見たければ3月頭に」といった具合に、目的に合わせて訪問時期を調整してみてください。
初めて訪れる方には、以下のルートが最も効率的です。
このルートであれば、梅林を抜け、最高地点にある展望スポットで景色を楽しんでから、別のルートで下山するという周回が可能です。
ここが最も重要なポイントですが、小峰公園は「公園」という名前から連想する平坦な場所ではありません。実態は「里山」であり、軽い登山です。
特にビジターセンターから冒険の広場、そして桜尾根に至るまでの道のりは、急な上り坂や長い階段が続きます。「ちょっと散歩」のつもりで行くと、息が上がって驚くことになるでしょう。ベビーカーでの移動は非常に困難ですので、抱っこ紐を用意するか、足腰に不安がある方は休憩を挟みながらゆっくり登る計画を立ててください。
ビジターセンターを出発し、桜尾根で梅を見て、ゆっくり下りてくるまでの所要時間は、大人の足で約40分〜1時間ほどです。
距離自体は長くありませんので、ハイキング初心者や普段あまり運動をしない方でも十分に歩ききれます。ただし、前述の通り高低差があるため、時間には余裕を持っておきましょう。途中のベンチで温かい飲み物を飲んで休憩する時間を含めると、1時間半ほど見ておけば安心です。
お子様連れの場合、「梅だけだと子供が飽きてしまう」という悩みがありますよね。
ご安心ください。「冒険の広場」には、木製のアスレチック遊具がいくつか設置されています。梅を見終わった後にここで遊ばせることができるため、ファミリー層にも人気です。広場は芝生になっているので、レジャーシートを広げておやつタイムにするのも良いでしょう。
車でアクセスする場合、小峰公園には無料の駐車場が完備されています。利用時間は通常9:00〜16:30です。
収容台数は約30台とそれほど多くありません。梅の見頃となる週末の午前中(特に10時〜11時頃)は満車になるリスクがあります。満車の場合は待機するスペースがあまりないため、可能であれば9時の開門に合わせて到着するか、少し時間をずらして午後に訪問することをおすすめします。
公共交通機関を利用する場合は、JR五日市線「武蔵五日市駅」が最寄りです。
バスの本数は1時間に数本程度ですので、帰りの時刻表も事前に確認しておきましょう。
トイレは「小峰ビジターセンター」と「冒険の広場」付近にあります。
しかし、桜尾根の道中や山頂付近にはトイレがありません。散策をスタートする前に、必ずビジターセンター(本館または外トイレ)で済ませておくのが鉄則です。ビジターセンター内には展示室や休憩スペースもあり、冬の寒い日には暖を取るのにも最適な場所となっています。
繰り返しになりますが、足元は履き慣れたスニーカーやトレッキングシューズが必須です。
ヒールやサンダルは危険ですので避けましょう。また、尾根道は風を遮るものがないため、晴れていても風が吹くと体感温度が下がります。脱ぎ着しやすいウインドブレーカーや、首元を温めるマフラーなど、調整可能な服装で行くのが正解です。
園内に売店やレストランはありません。飲み物の自動販売機がビジターセンター付近にある程度です。
ランチをまたぐ場合は、武蔵五日市駅周辺のコンビニでお弁当を買って持参し、園内のベンチでピクニックをするのが一番の楽しみ方です。もし下山後に食事をするなら、駅周辺にあるお蕎麦屋さんや、街道沿いのカフェを探すと良いでしょう。
時間が余ったら、ぜひ足を延ばしてほしいのが「秋川渓谷瀬音の湯」です。
小峰公園から車であれば10分〜15分程度で到着します。とろりとした泉質が特徴の天然温泉で、ハイキングで冷えた体を温めるには最高のご褒美となります。足湯(無料)もありますので、タオルの予備を持っていくと便利です。