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例年、あしがくぼの氷柱は1月上旬から2月下旬にかけて開催されます。自然の寒さを利用して作られるため、その年の気温によって開始時期が前後しますが、概ね成人の日の連休あたりからスタートすることが多いです。
営業時間は通常、午前9時から午後4時までが昼の部です。そして、日没後(おおよそ午後5時頃)から午後8時までが、幻想的なライトアップを楽しめる夜の部となります。金曜日や土日祝日はライトアップの時間が延長される場合もあるため、出発前には必ず公式サイトで最新のスケジュールを確認しましょう。
昼間の氷柱は、太陽の光を浴びて青白く輝く、クリスタルのような美しさが魅力です。氷本来の透明感や、迫力ある造形を細部まで観察したいなら、日中の訪問をおすすめします。写真撮影をする際も、自然光の方がシャッタースピードを稼げるため、手ブレの心配が少ないのもメリットと言えるでしょう。
一方、夜の部は雰囲気が一変します。色とりどりのLEDライトに照らされた氷の世界は、まさに幽玄の美。デートや特別な思い出作りには夜が最適ですが、非常に気温が下がるため、防寒対策のレベルを一段階上げる必要があります。
氷柱が最も大きく、見応えのある状態になるのは、1月下旬から2月上旬にかけてです。この時期は秩父地方の冷え込みが最も厳しくなるため、氷が解けることなく成長し続けます。
ただし、暖冬の場合は氷の成長が遅れたり、逆に気温が上がりすぎて一部が崩れてしまったりすることも珍しくありません。現地の観光協会がSNSで毎日発信している「氷柱の状況」をチェックし、ボリューム感が増してきたタイミングを狙うのが、失敗しないコツです。
雨天や気温の上昇により氷の状態が悪化した場合、または大雪で安全確保が難しい場合は、開催が一時中止になることがあります。せっかく現地に行ったのに閉園していた、という事態は避けたいものです。
お出かけ当日の朝には、必ず横瀬町観光協会の公式X(旧Twitter)やWebサイトを確認してください。リアルタイムでの開催可否情報は、電話で問い合わせるよりもSNSの方が早く更新される傾向にあります。
近年、混雑緩和のために土日祝日のライトアップ鑑賞は事前予約制が導入されています。「行けばなんとかなる」と考えて現地へ向かうと、入場制限で入れない可能性が高いため注意が必要です。
特にクリスマス後の1月、2月の週末はカップルや家族連れで非常に混み合います。入場枠には限りがあるため、日程が決まり次第、早めに予約を済ませておくのが鉄則です。
予約が必要なのは主に「週末の夜」です。平日のライトアップや、土日であっても「昼の部(16時まで)」であれば、基本的には予約なしで入場できます。
人混みを避けてゆっくりと鑑賞したい方や、スケジュールを決めずにふらっと立ち寄りたい方は、平日の夜か、週末の早い時間を狙うのが賢い選択と言えるでしょう。ただし、ルールは年によって変更される可能性があるため、必ずその年の最新情報を参照してください。
入場料(環境整備協力金)は、中学生以上が500円、小学生が300円程度です(年により変動あり)。予約は通常、観光協会の公式サイトからリンクされているチケット販売サイト(Webketなど)を通じて行います。
手順は簡単で、希望の日時を選んでクレジットカードやコンビニ決済で購入するだけ。当日は発行されたQRコードをスマホ画面で提示すればスムーズに入場できます。現地で電波状況が悪い場合に備え、QRコードのスクリーンショットを撮っておくと安心です。
予約枠に空きがある場合に限り、現地で当日券が販売されることもあります。しかし、これはあくまで「空きがある場合」のみ。人気の時間帯は前売り段階で完売することがほとんどです。
「キャンセル待ちはできますか?」という疑問もよく耳にしますが、システム上、キャンセル待ちは行われていないケースが大半です。こまめに予約サイトをチェックして、キャンセルが出た瞬間に枠を確保する「戻り狙い」しか方法はありません。確実に入場したいなら、やはり事前予約が最強の手段です。
あしがくぼの氷柱の最大のメリットは、駅から徒歩約10分というアクセスの良さです。西武秩父線「芦ヶ久保(あしがくぼ)駅」を降りれば、会場までの案内看板が出ているため、迷うことはありません。
雪道の運転に自信がない方や、鑑賞後にお酒を楽しみたい方は、迷わず電車を選びましょう。池袋から特急ラビューを使えば、横瀬駅や西武秩父駅まで快適に移動でき、そこから各駅停車で一駅戻るなどのルートもスムーズです。
車で向かう場合は、国道299号線沿いにある「道の駅 果樹公園あしがくぼ」を目指します。圏央道「狭山日高IC」から約40km、平常時であれば1時間強で到着します。
ただし、秩父方面へ向かう山道は凍結している可能性があります。ノーマルタイヤでの走行は非常に危険ですので、必ずスタッドレスタイヤを装着するか、チェーンを携行してください。「昼間は晴れていたから大丈夫」と油断していると、帰りの夜道で路面凍結に遭遇することがあります。
道の駅の駐車場(第一駐車場)に停めることができれば会場へは一番近いですが、シーズン中の週末はすぐに満車になります。その場合、少し離れた「あしがくぼ小学校」の校庭などが第二駐車場として開放されることがあります。
道の駅および第二駐車場から会場までは徒歩移動となります。以前は無料でしたが、近年は繁忙期に限り駐車料金がかかるケースも見受けられますので、小銭を用意しておくと良いでしょう。誘導員の指示に従い、無理な路上駐車は絶対に避けてください。
最も混雑するのは、ライトアップが始まる直前の16:30〜17:30頃です。この時間は駐車場の入庫待ちで国道まで列が伸びることがあります。
スムーズに駐車したいなら、まだ明るい15:30頃に到着しておくのがおすすめです。道の駅で食事や買い物をしながら暗くなるのを待てば、ストレスなくライトアップを迎えられます。早めの行動が、快適な鑑賞への鍵となります。
会場は山あいの谷底に位置しており、冷気が溜まりやすいため、都内とは比較にならないほど冷え込みます。氷点下になることは当たり前と考え、スキーウェアに近い装備を推奨します。
アウターは風を通さないダウンジャケットが必須。インナーには発熱素材の肌着を着用し、さらにフリースやニットを重ね着しましょう。首元、手首、足首の「3つの首」を温めることが重要なので、マフラーや手袋も忘れずに準備してください。
会場内の通路は、整備されているとはいえ自然の地形を活かした坂道です。地面にはウッドチップが敷かれていますが、凍結して滑りやすくなっている箇所も多々あります。
ヒールのある靴や底がツルツルのスニーカーは大変危険です。トレッキングシューズやスノーブーツなど、靴底の溝が深く、滑りにくい靴を選んでください。転倒して怪我をしては、せっかくの楽しい思い出が台無しになってしまいます。
寒さでスマートフォンのバッテリーが急激に減ることがあります。「写真を撮ろうとしたら電源が落ちた」という悲劇を防ぐため、モバイルバッテリーと、スマホの背面に貼るカイロ(または手持ちのカイロで温める)があると役立ちます。
また、足元が暗い場所もあるため、小型の懐中電灯やスマホのライト機能が活躍します。温かい飲み物を入れた水筒を持参するのも、体を内側から温める良い方法です。
小さなお子様連れの場合、ベビーカーでの入場は不可能です。通路が狭く、段差や坂道が多いため、抱っこ紐を使用しましょう。ただし、足元が悪いため転倒には細心の注意が必要です。
ペットに関しては、キャリーバッグに入れるか抱っこをしていれば入場可能な場合がありますが、大型犬などは制限されることもあります。人混みでペットがストレスを感じる可能性もあるため、事前に公式サイトの「よくある質問」で最新のペット同伴ルールを確認することをおすすめします。
会場に入ると、目の前に広がる巨大な氷の壁に圧倒されます。ライトアップは時間によって色が変化し、青、紫、緑と様々な表情を見せてくれます。
おすすめは、色が切り替わるグラデーションの瞬間。固定された色だけでなく、移ろいゆく光と氷のコラボレーションを動画で撮影するのも人気です。一番高い展望スペースまで登ると、会場全体を見渡すことができ、迫力満点のパノラマビューを楽しめます。
あしがくぼの氷柱ならではの特徴として、会場のすぐ上を西武鉄道が走っている点が挙げられます。特に、大きな窓と黄色い座席が特徴的な特急「ラビュー」が通過するタイミングは、絶好のシャッターチャンスです。
ライトアップされた氷柱と、近未来的なデザインのラビューが交差する光景は、ここでしか撮れない貴重な一枚。通過時刻を事前に調べておき、カメラを構えて待ちましょう。
会場内または出口付近では、地元・横瀬町の方々による温かいおもてなしが行われることがあります。冷え切った体に染み渡る甘酒や、地元産の紅茶の振る舞いは、心まで温まる嬉しいサービスです(※感染症対策等の事情により、実施されない年もあります)。
また、薪ストーブが設置された休憩エリアがある場合もあり、パチパチと燃える火を眺めながら暖を取る時間は、冬のキャンプのような非日常感を味わえます。
氷柱をバックに自撮りをする際は、下から煽るように撮ると氷の巨大さが強調されます。また、手前の氷柱にピントを合わせ、背景のライトアップを玉ボケさせると、一眼レフのようなプロっぽい写真になります。
ただし、撮影に夢中になって通路を塞いだり、立入禁止区域に入ったりするのはマナー違反です。三脚の使用はエリアによって制限されている場合があるため、現地の案内に従い、譲り合って撮影を楽しみましょう。
鑑賞後は、隣接する道の駅あしがくぼで食事を楽しみましょう。名物は、秩父地方の郷土料理「ずりあげうどん」。茹でたてのうどんを鍋から直接引き上げ、好みの薬味と醤油で食べるスタイルは素朴ながら絶品です。
また、小腹が空いているなら「みそポテト」は外せません。ホクホクのジャガイモの天ぷらに甘辛い味噌ダレがかかったB級グルメは、子供から大人まで大好きな味です。
横瀬町や秩父エリアは、1月からいちご狩りのシーズンに入ります。氷柱を見る前に、近隣の農園で甘い完熟いちごを堪能するプランはいかがでしょうか。
「あしがくぼの氷柱」の半券や予約画面を提示すると、周辺のいちご農園で割引やサービスを受けられるキャンペーンを行っていることもあるため、要チェックです。
氷点下の屋外に長時間いた後は、温泉で温まりたいものです。車で少し移動すれば、「武甲温泉」などの日帰り入浴施設があります。
炭酸泉や露天風呂に浸かり、冷え切った手足を解凍する瞬間は至福のひととき。氷柱鑑賞と温泉はセットで楽しむのが、秩父通の楽しみ方です。
道の駅の直売所では、新鮮な地元野菜や秩父の特産品が手に入ります。特におすすめなのが、秩父独自の「しゃくし菜漬け」。シャキシャキとした食感が特徴で、ご飯のお供にもお酒のつまみにも最高です。
また、横瀬町産の紅茶や、地元のフルーツを使ったジャムなども人気です。旅の思い出と共に、美味しいお土産を持ち帰ってください。
最後に、あしがくぼの氷柱を120%楽しむためのチェックリストをまとめました。
しっかりと準備を整えて、秩父・横瀬町が誇る冬の絶景「あしがくぼの氷柱」を存分に楽しんできてくださいね!